エンバイロ先生の保護塗料講座

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木材細胞と早材・晩材

木材の体はパイプ(細胞)の束

木材の体を構成している木繊維、道管、仮道管、放射組織などは全てパイプのような中空の管なので、水や樹液を通すことができます。木材はこのパイプの束でありハニカム構造のために軽いわりには強い材料です。(軽量構造材料)。そのうえ、中空の孔にたくさんの空気が詰まっており、熱を伝えにくい断熱材料でもあります。板の木口や年輪が見える丸太の木口は、開孔したパイプの断面が現れています。そのため、パイプの側面に比べて塗料や着色剤がよく浸透するのです。

カラマツ材の断面
カラマツ材の断面(海青社「この木なんの木」佐伯浩著)

樹種によって厚さが異なる「パイプの壁」

木材は樹種によって重さ(比重)が異なります。国産材で最も軽いのはキリ、反対に最も重い木は九州地方に生育しているイスノキです。軽い木は柔らかく、爪を立てると簡単に傷がつく一方、重い木は硬いのでフローリングや机の天板に使っても傷がつきにくくなります。

木口を顕微鏡で拡大してみると、重い木は厚く、軽いものは薄くと、パイプの壁の厚さが著しく異なることがわかります。さらに、道管を除くパイプは形や大きさがほぼ等しいので、軽い木は重い木よりも穴(細胞内孔)が大きいのがわかります。そのため、軽い木は重い木よりも塗料や着色剤が材中によく浸透するのです。

塗装用語では軽い木は「肉もち(木材上の塗膜のできやすさ)が悪い」と表現します。また、軽い木は着色剤を使用した際濃く着色するという特徴もあります。逆に重い木は空洞の容積が小さく、塗料などの浸透が悪いので肉もちがよく、ステインでは着色されにくいといった特徴があります。

早材と晩材

木は春から夏にかけて成長する部分(早材)と夏から夏の終わりに成長する部分(晩材)があり、これが板では木目に、そして丸太では年輪となって見えます。

早材はパイプの形が大きく、壁が薄く、穴が大きく、色が淡い一方、晩材は形が小さく、壁が厚く、穴が小さく、色が濃いのが特徴です。塗装の際、早材は穴が大きいので晩材よりも塗料や着色剤がよく浸透します。

早材、晩材の影響で塗った塗膜が平滑になりにくく、塗膜研磨などで平らに仕上げても時間が経つと凸凹になりやすいことを「目やせ現象」と呼びます。一般の着色では、早材、晩材による浸透ムラが原因となり早材が濃く、晩材が淡く着色するので、自然の材色とは逆になってしまいます。

木材塗装の難しさは、早材、晩材がおりなす木目をいかに美しく表現するかにあるといえるでしょう。

同じ板の中でも細胞壁の厚さは異なる