エンバイロ先生の保護塗料講座

Dr.Enviro’s protection paints Lesson
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腐れとカビ

カビの分類図
カビの分類図

健全に見える木材にもたくさんの菌が付着しています。これらの菌の大部分が木材を腐食する仲間で、生活力旺盛な土壌棲息型です。木材に付着侵入する菌は、その加害のしかたで通常5つに大別されます。腐朽は一種類の菌に由来せず、いろいろな菌による共同侵略です。

表面汚染(かびる・汚れ)

高湿、あるいは結露しやすい環境におかれた木材、特に荒削りの材、ほこり、ごみ、人間の手あかなどがついた材によく発生し、食品、紙、湿った壁、タタミなどにつくカビと同様のものです。アオカビ、コウジカビ、クモノスカビ、ケカビなど子のう菌、藻菌といわれる菌が原因となります。カビで汚れた表面は少し削るか、ブラシでこするときれいになります。

表面汚染のカビ
表面汚染のカビ

深部変色(しみ・さび・あお)

子のう菌と呼ぶ熱や乾燥に弱い菌が原因で起こる現象です。木材中のでんぷん、糖類を摂取しますが酵素分解しないので木材の物性にはほとんど影響しません。しかし、耐衝撃性が若干低下するので、木材はスポーツ用具、ヨット、航空機などへの使用が難しいこともあります。

中でももっとも一般的なのが青変菌で、窓枠、ドア、板べい、ベランダなどに多発します。褐変、緑変、赤変もあり、削っても漂白剤を用いてもなかなか落とすことができません。

深部変色
深部変色

褐色腐朽(赤ぐされ)

多湿、通風換気や日照採光の悪いところに大発生します。床下、地下室、水まわり部分、モルタル壁の内部、雨もりのしているところなど、建物の腐れの95%がこのタイプです。

褐色腐朽の原因は担子菌と呼ばれる菌で、この仲間にはキノコをつくるものもあります。木材中のセルロースを分解消化して、あとにリグニンなど褐色物質を食べ残すので、腐朽が進んだ木材は褐色になります。代表的なものに幹ぐされ、水ぐされ、綿ぐされ、そして雨もりをねらうマツオウジなどがあります。

褐色腐朽(赤ぐされ)
褐色腐朽(赤ぐされ)

白色腐朽(白ぐされ)

羽目板、ぬれ縁、板べい、窓枠などに多発し、腐朽が進んだ木材は白っぽくなります。褐色腐朽をおこす菌より寒さや直射日光に強い担子菌が原因で、乾湿の変化がはげしいところや寒暖差の大きいところでもよく生育・繁殖します。カワラタケとカイガラタケの2つが有名です。木材中のリグニン、ヘミセルロースを分解消化して腐った木材には白色のセルロース(紙パルプの原料)が残ります。

褐色腐朽の発生はペンキを塗ることである程度はおさえられますが、白色腐朽にはほとんど無効だと言われています。

白色腐朽
白色腐朽

軟腐朽(軟ぐされ)

クーリングタワーのバッキング材、杭丸太、ボート、紙パルプ用のチップ材など、常時湿潤の状態で発生する腐朽材は、どす黒く焦げたように見えるのが特徴です。

子のう菌と呼ばれるカビが原因で起こる軟腐朽は木材中のヘミセルロースを分解消化し、指でおさえるとチーズのような手ざわりになります。

代表菌はケトミウム、トルコデルマなど約50種。褐色腐朽や白色腐朽を起こす菌が生育できないような高含水率(100%以上)の木材を好んで侵し、アルカリ(pH8~10)に強く、暑さにも強い(38℃くらいまで生育できる)と言われています。

軟腐朽
軟腐朽