木材を取り巻く外敵

external surroundings of wood
  1. DIYホーム
  2. DIY初心者ガイド
  3. 木材を取り巻く外敵
  4. 各種汚染・変色の除去方法

さらに詳しく 各種汚染・変色の除去方法

各種汚染・変色の除去方法

木材内部からにじみ出るヤニやシミによる汚染、カビの発生、鉄くぎや鉄粉による鉄汚染、アルカリ汚染など木材の汚れの原因はさまざまです。

木部保護着色塗装していない材は、比較的短期間で汚れが目立つものです。こまめに清掃して、汚れを落とすなどの定期的なメンテナンスが不可欠です。

除去方法一覧
状態 原因 除去方法
金属汚染 黒褐色や黒色 ノコギリやカンナなどの製材現場で浮遊している金属成分/
金属製工具、金属製建材・建具、鉄クギ、砂鉄、鉄粉など工事現場で大気中に浮遊している金属成分など/
鉄イオン溶液濃度0.000005以下でも汚染が発生する
5%シュウ酸水溶液を塗布し、変色が除去できた事を確認した後に水洗いを行う。
水洗いの代わりに5%リン酸―ナトリウム水溶液を塗布する事で再発生を抑制する事ができる。

※シュウ酸は劇物のため薬局で購入の際、書類に押印が必要です。作業前に購入品のラベルの記載内容を確認いただき、作業時には手袋や保護眼鏡を着用ください
アルカリ汚染 樹種により異なるが黄色から褐色 木材の抽出成分(タンニンなど)とアルカリ成分(漆喰、モルタル、コンクリート、サイディングなど)が水を媒介に接触すると発生する 研磨によって汚染部分を削り取る、もしくは漂白剤で汚染着色物質を分解して脱色する。
汚染した外装材がコンクリートブロックや漆喰壁などの場合は、5%次亜塩素酸ナトリウム水溶液のようなアルカリ性漂白剤で分解除去。
汚染部分が木部の場合は、初期汚染は1%シュウ酸水溶液で除去し、長く放置した汚染は5%過酸化水素水溶液で除去。

※シュウ酸は劇物のため薬局で購入の際、書類に押印が必要です。作業前に購入品のラベルの記載内容を確認いただき、作業時には手袋や保護眼鏡を着用ください
ヤニ汚染 木材表面に溶出 太陽光などで木材が温められると、木材内部で固まっていた樹脂成分が軟化して木材表面に染み出す。 ヤニ(樹脂成分)が乾燥して固まった状態でなければ、エタノールや塗料用シンナーなど有機溶剤を用いて拭き取ることにより除去が可能。
乾燥により白色化して固まってしまうと、スクレーパー等で削り取るなど、物理的に除去する必要がある。
カビ汚染 灰色から黒色 環境条件(栄養素・水分・酸素・温度)が整えば、どのような場所でも生育する。
木材の場合は、高含水率の状態や長期間高湿度の環境、土、ほこり、ごみ、人間の手垢など様々
5%程度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を塗布することで除去。除去後はアルカリ焼けを回避するため、水洗を行う。
5%程度のクエン酸水を塗布して中和処理を行うことでアルカリ焼けをさらに効果的に予防することが可能。
光汚染による汚染 アメ色から暗褐色になるものが多い。
太陽光の影響により色濃く変色するものもある
紫外線による木材成分の変異/着色物の生成または分解 研磨によって汚染部分を削り取る
過酸化水素水溶液の塗布による汚染部分の除去

※過酸化水素は劇物のため薬局で購入の際、書類に押印が必要です。作業前に購入品のラベルの記載内容を確認いただき、作業時には手袋や保護眼鏡を着用ください