木材を取り巻く外敵

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さらに詳しく アルカリ汚染

汚染の原因

 キシラデコールが流れた、溶けた、衣服に付いたなどの問い合わせが、台風等の大雨が降った後によくあります。一見すると流れた液体が塗料の色に近い黄褐色・茶褐色の汚染色を示すため、あたかもキシラデコールが雨水で溶けて流れ出たように見なされる場合があります。しかしキシラデコールは屋外で使用する建築用の塗料であり、乾燥した後は雨水などの水で溶解する事はありません。
 木材に含まれる抽出成分(タンニンなど)は、雨が降った際に水に溶けて流れ出します。抽出成分が漆喰や珪藻土、コンクリート、モルタルなどアルカリ成分と接触すると、化学反応を起こし、黄褐色・茶褐色の涙目状の汚染を発生させます。このような現象をアルカリ汚染と言います。
 古くなった木材でも再塗装を行う時に、下地処理での研磨により、木材の古い組織が除去され新しい細胞が表面に露出してアルカリ汚染が発生する場合もあります。
 雨水による抽出成分の流出は、木材を外装材として利用するときは避けることが難しい現象です。

漆喰への汚染

コンクリートへの汚染

  • 無塗装

木材の汚染(雨水などでコンクリートや漆喰からアルカリ成分と反応)

除去方法

 研磨によって汚染部分を削り取る、もしくは漂白剤で汚染着色物質を分解して脱色する方法が一般的です。
 汚染した外装材がコンクリートブロックや漆喰壁などの場合は、5%次亜塩素酸ナトリウム水溶液のようなアルカリ性漂白剤で分解除去します。除去後しばらく放置してから漆喰を再塗装する場合は水洗いの必要はありませんが、時間を置かないで再塗装する場合は水洗後に乾燥させる必要があります。
 汚染部分が木部の場合、初期の汚染は1%シュウ酸水溶液で除去し、長く放置した汚染は5%過酸化水素水溶液で除去します。

※シュウ酸は劇物のため、薬局で購入の際、印鑑が必要です。作業前にSDSをよく読み、作業時には手袋や保護眼鏡を着用ください。