山居倉庫

山形県酒田市

Information

エリア
北海道・東北
用途
歴史的建造物・景観
使用部位
外壁
使用製品名とメインの使用色
キシラデコール / ジェットブラック
山居倉庫は、米どころ山形県庄内地方の中心地、酒田市にあり、明治26(1893)年に酒田米穀取引所の付属倉庫として建設され、増築を重ねて、一時期は15棟が立ち並んでいました。現在でも12棟が残り、そのうちの9棟は今もなお現役の米穀倉庫として活躍しています。2棟は市が観光施設として利用し、残り1棟は庄内米歴史資料館として利用されています。
米の味を落とさずに保管するためには気温を一定に保つことが必須で、山居倉庫にはその工夫がされています。建物は厚さ160mmの漆喰で塗り固めた土蔵造りで、それを杉板でくるむような構造をしています。この杉板は「さや」と呼ばれています。「さや」は水分に弱い漆喰が雨水や雪に直接さらされるのを防ぎ、さらに壁面の断熱性を高めて、倉庫内の室温を一定に保つ役割を果たします。

この「さや」部分にキシラデコールが塗装されています。色はジェットブラック。漆喰の白とのコントラストが美しいです。2006年度には南側の5棟の西面を塗り替えるという大掛かりなメンテナンスが行なわれました。

建物の西側は、「さや」と土蔵の間に人ひとりが通れるほどのすき間を開けたり、欅並木を植えたりと、日差しを遮ると同時に冬の強い風雪から特に重厚に守られています。現在は、空調などで温度管理をしやすくしているとはいえ、「庄内のおいしい米を」という倉庫管理の方の日々のたゆまぬご努力には頭が下がるばかりです。

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