木材の基礎知識

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針葉樹と広葉樹

針葉樹の特徴と塗装性

木目(年輪)が明瞭で、木目に対応する濃度変化が美しさの因子となっている針葉樹。
早材と晩材で比重、硬さ、塗料や着色剤の浸透などの差が大きい特徴から、木目を強調する仕上げが多く採用されますが、着色ムラを起こしやすい素材でもあります。

針葉樹は組織が単純で、全組織構造の約95%が細い径の仮道管です。この単純な組織構成の通り肌目が精で滑らかな樹種が多く、広葉樹より少ない塗装工程で仕上げられます。

「ソフトウッド」の呼び名通り、針葉樹は材が軟らかく、見た目にも軟らかさが感じられます。せっかくのソフト感が失われないように薄膜、つや消し仕上げが多く採用されます。
針葉樹は一般に明るく淡色の樹種が多いことから明るい仕上げが適し、着色をしない、もしくはごく薄めの着色が行なわれることが殆どで、濃色に着色されることはあまりありません。

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広葉樹の特徴と塗装性

ナラやラワンのような広葉樹は複雑な組織構造を持っており、木の強さは木繊維、水の通路は道管がそれぞれ分担しています。
仮道管に比べて道管の直径は太くて荒々しく、粗の肌目が多いのが広葉樹の特徴です。この性質を生かして道管を着色する目止め着色、ワイピングステインが有効で、着色の効果が顕著に表われます。

広葉樹は材質が硬いので堅木と呼ばれ、その性質を利用して家具や床材に多く使われています。
その反面、塗料や着色剤が浸透しにくいため着色されにくく、素地着色には染料系ステインが適しています。
材色は樹種によって大いに異なり、明るい淡色から暗い濃色までバラエティーに富んでいます。

広葉樹は針葉樹に比べ塗装効果が仕上がりに大きく影響します。材を生かすために複雑な塗装工程の仕上げが多く行なわれ、塗料の浸透による濡れ色(濃色)にすると、材の特徴が強調されます。

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針葉樹と広葉樹の違い
  針葉樹 広葉樹
見分け方 葉が針のように細かく、多くは先端がとがっている。またほとんど常緑樹である。
※イチョウは間違いやすいが針葉樹である。
葉は広くて平たい。落葉樹と常緑樹がある。
年輪 はっきりしている。 はっきりしていない場合がある。
組織 樹液を運ぶ道管がなく、木繊維がその役割を果たす。これを仮道管と呼ぶ。 幹は道管と木繊維からできている。
木目 比較的まっすぐ通っている。 複雑に変化して美しいものが多い。
材質 軽くて軟らかい。 堅くて重い。(キリのような例外もある)
加工性 一般に加工しやすい。 一般に加工しにくいが、反面丈夫である。
針葉樹と広葉樹の一例