木材を取り巻く外敵
external surroundings of wood身近な生き物による被害
木材の外敵となる生き物の被害について様々な事例が確認されています。
乾燥した木材を食べて被害を及ぼす害虫として、ヒラタキクイムシ、ナガシンクイムシ、シバンムシなどが存在します。内部から木材を食い荒らすため被害に気付くことが難しく、木材にとって非常にやっかいな存在です。
湿潤材も食べて加害する害虫としてシロアリ、固有の生命活動のなかで木材を加害する生き物(ハチ、カタツムリなど)もいます。
※防虫の対象はヒラタキクイムシなど乾燥した木材を食害する害虫です。シロアリ、アリ、ハチなどは対象外です。シロアリを対象にした製品(シロアリ防除剤、専門業者による施工用です)は別途ラインナップしております。
ヒラタキクイムシ
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ヒラタキクイムシ 春から夏にかけて、木材表面に円形の小さい穴(1~2mm)があり、そのまわりに白い木粉が落ちていたら、ヒラタキクイムシの被害が考えられます。これは繁殖のために成虫が飛び出した跡。成虫は夜行性で昼間はものかげに潜み、夜に出てきて産卵します。
一方アフリカ原産種は昼間に活動し、ラワン材など熱帯産広葉樹のよく乾燥した新材が大好物です。木材を食い荒らすのは主に幼虫で、家ばかりでなく家具、建具の大敵であるといえます。
ナガシンクイムシ
ナガシンクイムシ -
ラワン材など広葉樹材だけでなく、アメリカ、カナダ産の針葉樹材・竹材の大敵であるナガシンクイムシ。オオナガシンクイムシの被害は断熱・暖房の普及とともに北進しています。繁殖・産卵期は春から秋。ヒラタキクイムシと違い、幼虫だけでなく成虫も木材を加害します。
ナガシンクイムシがつくと、材表面を残して内部をボロボロに食い荒されてしまいます。仲間には土壁の中のこまい竹を集中攻撃するチビタケナガシンクイムシがあります。
シバンムシ
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害虫に荒らされた木材 一部のシバンムシは乾燥した木材を好み、伐採してから20年以上の木材にも食害がみられます。床、柱、梁、建具、家具、仏像彫刻に見られる散弾痕(約1.5m程度)のような穴が被害の手がかりになります。シバンムシは木材以外を好む種類もあり、タタミ、ファイバーボード、和紙、タバコ、ビスケット、乾燥野菜、乾果、漢方薬、ペット類の餌も食害します。
シロアリ
シロアリ -
社会生活を営む食材性の小型昆虫、熱帯地域中心に2100種(加害性は50種、残りは益虫)日本では約20種いますが、イエシロアリ、ヤマトシロアリ、ダイコクシロアリ、アメリカカンザイシロアリの4種類が加害性です。
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アシナガバチ
アシナガバチ アシナガバチは春から夏にかけて巣作りを始めます。その際に木の幹や木塀、外壁の木材などを齧り取り唾液などと混ぜて巣作りをします。
クマバチ
クマバチ クマバチはオスメス対で建築物の梁や貫等部材の端部から穴を空けて巣を作ります。
体が大きく、羽音の印象が強烈だが余程の事が無い限り刺されません。針はメスにしかありません。
カタツムリ、ナメクジ
カタツムリ、ナメクジ 陸に住む巻貝の仲間で、殻のないものを「ナメクジ」、殻を持つものを「カタツムリ」などと呼んでいます。雨降りや湿気の多い時に這い回り、木材やコンクリート、金属板等の表面に付着した藻類を食しますが、表面の塗装膜まで食べる事があります。
セミ
セミ -
通常は立木の皮つきに産卵管を突き刺し、数か所1個ずつ卵を産み付ける。枯れ枝や木と間違えて建築物や電線、光ケーブルなどにも産卵してしまうことがあり、大きな被害が発生しています。
オカメヅタ
オカメヅタ -
まきひげの先端が吸盤になり、基盤に付着する。無理やり抜いた場合はポツポツと吸盤だけが残る。