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腐れとカビは先史時代の人々にとっても苦心の課題でした。聖書にも住まいの防腐に関する心得を説いている箇所が見られます。古代の木材防腐剤には、鉱物派と植物派とが存在していましたが、ローマ没落(B.C.27~A.D.476)とともに「腐れを予防する」という発想が姿を消します。
その後、防腐技術再開発の祖となったのはエリザベス女王。現在の木材防腐施工術の基盤が確立したのは産業革命(1760~1830)の頃でした。16世紀にはヨーロッパで建築塗装が発達。「写しの技術」「偽造術」とよばれ、ボロかくし美装としても大きな比重を占めるようになります。1845年には防腐塗料が流行。1958年には「塗膜のハク離の原因は菌である」と判明します。
1930 年ごろ、NSP(Nonswelling Paintable Water-repellent Preservatives)という名の木材防腐剤がアメリカで登場。雨水をはじく、木材の通気性は損なわない、防腐、防カビ効果ありという3つの謳い文句で、木製の外装建具の塗装に広く普及しました。しかし着色美粧効果をもたなかったため下塗り剤としての評価しかされず、この後キシラデコールのような木材保護塗料が出現してからは市場からほとんど姿を消してしまいました。
日本では古来木材を建材として使用してきました。四季があり高温多湿で雨の多い日本の気候に合わせて、軒を深くとったり、水が入っても床下に抜ける構造にしたり、高床式にしたりすることで建物の通気性を高め、木材の天敵である雨水侵入・湿気・結露を、建物の構造により保護していました。また木材表面にはベンガラや松煙、柿渋などを塗布したり、木材表面を焼いた「焼杉」など、木材を保護するためのエ夫がなされました。
AkzoNobe(l当時Deswag)社は1950年代に木製窓枠用の「NSP(キシラモン・インプレグニールグルンド)」を開発。つづいて1965年に「キシラモン・カラー」1970年に「キシラデコール」を発売しました。キシラデコールは、ドイツ工業規格に定められた「カビ、木材腐朽菌および木材害虫から建物の木造部分を保護する」効力があると認められたうえで、ドイツ連邦政府から製造販売が許されている製品です。キシラデコールは、オイルステインとよく似た仕上がりにみえますが、木材防腐剤と塗料とオイルステインの限界領域にある「新需要創造商品」という表現がぴったりです。ヨーロッパではこれ以降キシラデコールのような塗料が大いに普及しました。
「木材保護塗料N0.1ブランド」として国内でも広く親しまれているキシラデコールが、初めて日本に上陸したのは1971年のこと。2021年に日本発売50周年を迎えました。発売時はドイツで生産された製品を輸入販売していましたが、日本の気候や風土に合わせた製品を目指して国内での研究・開発が進められ、現在では全て国内で生産されています。古くから木材建築に親しみ、施工に対して厳しい基準と美意識を持つ日本のプロフェッショナルにもキシラデコールの性能は高く評価され、数多くの文化財や公共施設などで使用されています。
武田薬品工業株式会社制作
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