木目の美しさや加工のしやすさ、日本の気候風土に適した優れた調湿性と断熱性。 私たち日本人は、古来から建物の素材として"木材"を利用してきました。木材の魅力は、さまざまな表情をみせる木目や色合い、滑らかな手触り、自然を感じさせるやさしい香りにあります。 森林は、二酸化炭素(CO2)を吸収し、酸素(O2)を作り出す役目をしています。木材の活用は、蓄えた二酸化炭素を封印し、地球温暖化の進行を防ぐことにもなります。 50年以上の実績が語る プロが認めた仕上がりと耐久性。 優れた特徴を持つ木材ですが、天然素材ゆえの弱点もあります。それは、日光や風雨、カビや菌の付着、害虫などの「自然の外敵」の影響を受けやすいこと。特に屋外で使用される木材は、永く美しいままに使い続けるために、定期的なメンテナンスを必要とします。キシラデコールは、日本での販売50年以上を誇る木材保護塗料。その品質は、プロフェッショナルに高く評価され、数多くの文化財や公共施設などで使用されています。 木を、暮らしを守る。美しさを守る。 1 耐候性日光・風雨から、木材の劣化を防ぐ 日本の気候は、気温の年較差があるため四季がはっきりしており、また降水量が多いのが特徴。キシラデコールはそのような日本気候の紫外線や風、雨・雪、熱気・寒気による木材の劣化を防ぎます。 2 耐久性木部に深く浸透、内部からガード キシラデコールは「浸透タイプ」と「造膜タイプ」の2つに分かれます。「浸透タイプ」は有効成分が浸透して木材を内部から守ります。また、「造膜タイプ」はさまざまな外的劣化要因を塗膜がガードして長期間木材を守ります。 3 防腐・防カビ・防虫効果微生物や害虫から木材を守る キシラデコールは木部に浸透し、内部から防腐・防カビ・防虫効果を発揮します。カビや木材腐朽菌と呼ばれる微生物は、木材に不着すると腐食、老化、分解、着色などの被害をもたらします。また、木材害虫による「食害」も木材に甚大な被害を及ぼす要因となります。 [ キシラデコールの性能試験データ ] 日本の厳しい法規制を遵守し、さまざまな気象条件に対応するため、日々の研究開発を積み重ねています。 全国の異なる気候条件下での性能評価試験や大学や公的機関との連携などにより、豊富なデータと知見を製品開発に生かしています。 防腐性能試験データ スギおよびブナ木片にキシラデコールを塗装。それらと無処理木片を滅菌し、腐朽菌を培養したシャーレの上に置き、26℃で12週間培養。 防カビ性能試験データ ブナ木片にキシラデコールを塗装。それらと無処理木片を滅菌し、寒天培地に乗せ、5種混合菌を吹き付けて、26℃で4週間培養。 防虫性能試験データ ミズナラ辺材に、ヒラタキクイムシの幼虫を放虫。無処理木片とキシラデコールを塗装したもので、26℃で6ヶ月保管し比較。 耐候性試験データ スギ木片にキシラデコールを塗装した木片と無処理木片を、水平から30°傾けた南向きの暴露台に設置し、6~12ヶ月屋外暴露を実施。 4 美観木目を生かす、自然な仕上がり 木材の最大の特長といえる「美しさ」を生かし、長持ちさせるには「塗装」がもっとも効果的な方法です。「浸透タイプ」のキシラデコールは、有効成分が内側に染み込むので木目や紋様など木材の風合いをそのまま楽しむことができます。「造膜タイプ」は、古材でも明るく仕上げることができます。 5 作業性塗装工程、塗装技術はできるだけ単純に 内外問わず、木材建築物の美観維持や傷み・腐食等への対策には木部への塗装が必要です。キシラデコールは広範囲への塗装工程や技術をできるだけ簡単にするため、高い着色力、乾燥時間の短縮など、さまざまな性能改良に取り組んでいます。 キシラデコールは木材保護塗料塗り(WP)の規格適合品として認定されています。 2006年11月、日本建築学会の定める「建築工事標準仕様書・同解説JASS18塗装工事」で木材保護塗料塗り(WP)が新設されました。さらに、2010年度版の「公共建築工事標準仕様書」「公共建築改修工事標準仕様書」「木造建築工事標準仕様書」でも各省庁統一基準としてWPが新設。JASS 18 M-307 木材保護塗料は、2013年のJASS 18 改定時(第7次)に見直しが行われて、新たに「かび抵抗性」に関する試験項目が追加されました。木材保護塗料は「樹脂及び着色顔料のほかに、防腐、防カビ、防虫効果を有する薬剤を含むことを特徴とする既調合の半透明塗料」と定義され、下記の性能規格を満たしたものが木材保護塗料と認定されます。 ◇日本建築学会材料規格「JASS 18 M-307 木材保護塗料」木材保護塗料の品質 容器の中での状態 かき混ぜたとき、堅い塊がなくて一様になるものとする。 塗装作業性 塗装作業に支障があってはならない。 乾燥時間(h) 16以内 塗膜の外観 塗膜の外観が正常であるものとする。 促進耐候性 480時間の照射で、ふくれ、割れ、はがれがなく、色の変化の程度が見本品に比べて大きくないものとする。 かび抵抗性 試験体の接種した部分に菌糸の発育が認められないこと。 注)かび抵抗性は、日本建築学会材料規格3.9のかび抵抗性試験による。試験体の接種した部分に菌糸の発育があってはならない。 Data Downloads 安全データシート(SDS)・各種データダウンロード キシラデコール、キシラデコールフォレステージ、キシラデコールアクオステージ、キシラデコールコンゾラン (一財)日本塗料検査協会試験結果報告書、木材保護塗料塗り(WP)仕様書など